2009年08月02日

夏休みですね連載中(二)です

拍手が多いのは夏休みだからなのでしょうか。
ありがとうございます、ありがとうございます!
早くも連載を取りやめたい今、お客様の温かさがいっそう身に染みます。
(第一話で無理矢理オシマイ★ってことにすれば良かった…)

夏休みといえば、わたしの今年の夏休みは秋田と長野へ行くことに。
観光? のんのん!
母方と父方の祖母の家へまいります。迎え盆は母方で、送り盆は父方で…
両親は最初から父方(長野)のほうへ直行なので、パレアナは一人で大旅行です。

ああ、帰りたくない…!
田舎は好きだけど、親戚に会いたくない…! 好きだけど会いたくない…!
絶対「いいお婿さんを連れて来いよー」とか言われるんだ!
「彼氏いるんでしょ?」とか! 「結婚して帰っておいで」とか!
悪意なくプレッシャー(?)かけられるんだ! ほっといてー!!
ああどうか見合いのセッティングだけはされてませんように……
こっ、こわいよー!!

でもせっかくだから旅を楽しんで来ちゃうんだもんねーだ☆






気をとりなおして、連載第二話。
「微妙な距離のふたりに5題」なのに、完璧に離ればなれ(遠距離?)になった彼ら。
それでもレッツシリアス。




 * * * * *



「好きかも、しれない」





 お昼ご飯を食べながら、「夕飯は何にしよう」と考える。
 そんな自分に少し呆れて、でも、それでいいのかなとも思う。

 一人きりだったら、食べることなんて考えられなかったかもしれない。

「ぱぁーるぅ、ごちそうさまだおう」
「ええ? ルーミィ、もういらないの?」
「いりゃないの。……ねえ、のりゅー」
「ん…、なんだ?」
「しおちゃん、おなかぺっこぺこになってないかぁ?」
「……きっと、大丈夫だ。シロは、強い」
「そうだぞルーミィ。なんたって幸福を呼ぶ白い竜だからなー。きっと満腹で幸せな顔してるぜ?」
「本当かぁ!? くりぇー」
「もっちろん! 今頃食べすぎてゲップしてるさ」
「いやいや、クシャミしてるかもしれませんよ? わたしたちが噂してるせいで」
「両方、してるかも」
「りょーほー?」
「げ、やめてよノル! 聖なるホワイトドラゴンがゲップにクシャミなんて…」
「んぎゃーっはっは! 今更でしょ、ドラゴンのイメージとのギャップなんか!」
「わっ、キットン! 食べながら大口あけるな、飛んできたぞ、なんか!」
「きったなぁぁぁ!」
「きっちゃなぁぁぁ!」

 旅の途中はどうしても簡素になる食事に、賑やかな会話で味をつける。
 近頃の話題は、この場にいないパーティの仲間のこと。
 一人きりだったら、何も食べられなかったかもしれない。やっぱり。



 あの戦いの後、必死に、はいずり回って仲間を探した。

 それでもまだ白いドラゴンの子と赤毛の盗賊が欠けたまま。

 シロちゃんはずっとルーミィのそばにいてくれたけど、はぐれてしまったみたい。
 ……わたしたちが見つけたとき彼女はひどくおびえていた。
 初めてズールの森で会ったときを思い起こさせるほどに。

 あれから数週間。
 わたしたちは、シルバーリーブに戻るべく、旅に出ていた。
 戦いのあった地で彼らが現れるのを待ちつづけるには、あまりに時間が経っていて。滞在費もばかにならないし。
 あそこに留まるよりも、我らが本拠地のほうが体を休められる。
 それに、もしかしてもしかしたら…案外、先に帰ってるのかも!
 ……そうであってほしい。
 とにかく、一度シルバーリーブへ!
 重くなりがちな足どりに気づかぬふりをして、わたしたちは進んでいた。
 ヒポちゃんもシロちゃんもいない徒歩の旅は、思えば、とても久しぶりだった。



「りょーほー、かぁー……」

 彼女らしくもなく、食事の量が少し遠慮がちなルーミィ。
 ふいに輪からはずれて、何もない青空の彼方を見やった。
 小さな背中から、呟きが聞こえる。

「確かめたいお…しおちゃんが今、何してるんか」

 それは、つまり。

「会いたい、おう……………」



 ああ。
 シロちゃん。

 ルーミィはこんなに、シロちゃんのことが大好きだよ。





 そしてわたしは。

 彼のこと――



 ……………、わから、ない。





 ずっと、気にしてる。

 もしかしたら…そうかも、しれない。

 でも別にそうじゃないかもしれない。

 なんにも、わからない。





 トラップの顔を見ないと、答えなんか出せない。





 ああ。
 それは、つまり。





「会いたいんらおう……!」





 クレイに柔らかく抱きあげられて泣きじゃくる、小さなルーミィを見ながら。

 わたしの眼からも、涙がこぼれた。



「これ、なかなかおいしいですねぇ」

 ぼそりと呟いたキットンの声も。

 黙って、頭を撫でてくれるノルの手も。

 とてもとても。
 あったかかった。



 ああ、夕ご飯は、何を作ろっかなあ。







「微妙な距離のふたりに5題」より

(C)確かに恋だった
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at 22:30│