2007年09月27日

FQSS 「Home」

 帰る場所は、無くなることがある。



 そんなこと考えたこともなかったのに、思い知らされたあの日。
 家が壊れていたわけじゃなかったけど。
 「おかえり」を言ってくれるのが、ジョシュアだけになってた。



 消えた声。

 消えた手。

 消えた、あたたかさ。

 それを思うと今でも胸がぎゅっとつぶされたように感じる。






 だけど、ようやく。



 わたしは今ゆるやかに呼吸して、この場所に立っている。
 わたしが生まれ育った家。
 ここには、もうわたしの両親はいない。
 でも両親は……確かに、ここにいたんだ。
 その喜びがようやく、悲しみを上回った。

 おとうさん。
 おかあさん。

 ……ただいま。

 心でつぶやく。答えはかえってこない。
 だけどね。わたし、帰ってきたよ。

 ちょっとだけ泣きたいけど。笑顔がわいてくるよ。

 それは今、わたしが帰る場所「仲間」のおかげかな。
 全員、ここに連れてきた。
 困った奴らで、いつもどおり騒がしくって。
 ほっとする。

 おとうさん。
 わたし、彼らと一緒にいるの、とても好きなんだ。
 おかあさん。
 彼らはね、とってもあったかくて、とってもとっても……いい奴らなの。

 でも、この場所も。
 おとうさん、おかあさんも。
 わたしの帰る場所。…だよ?



 部屋のなかを見回す。
 手近なところにあった、埃のかぶったクマちゃんを、ぎゅうと抱きしめる。
 服が汚れるかも。
 かまわない。

 わたしって、幸せなんだ。

 帰る場所、いっぱい。



 ……ただいま。



 小っちゃな声に出して言うと、やっぱり埃が舞った。
 これは、クマちゃんからの「おかえり」かな? それとも長い間ほっといた報い?
 軽く咳こみながら苦笑していると、……

 やっぱり、涙が出てきた。

 …ちょっとだけ。





* * * * *

更新停滞は今に始まったことじゃないですが、そろそろ何かしないとな、と。
でもSS書いてる時間もないな、と。
いうことで、以前書いたまま携帯のなかに放置してたものを投稿。
季節的にもあってるし……。



これを置いて、ちょっと姿を消しますパレアナ。
連日拍手ありがとうございますー!
厚く御礼申し述べます。(←浅野内匠頭のセリフ。←だから何だ。)

わたしがんばります・・・!

at 23:31│