2007年02月25日

歪みの国のアリス全ED制覇記念

勢いって大事ですよね。
というわけで、歪アリの人気カプ、チェシャ猫×アリス二次創作書いてみました。
でも勢いだから。
何が書きたかったのかよくわかんないですから。
ごめんなさい。

設定は某ED後、ということになってますが。あれからどのくらい経ってるんだろうなぁ。
あ、未プレイの方が読むとわけわかんないですよ。ええそれはもう。

それでも読んじゃう~って方は続きへどうぞ。




―hope―


「チェシャ猫って、何か望むことはないの?」
 という私の質問はあまりにも唐突だったようで、チェシャ猫のにんまり顔が一瞬かたまってしまった。
 でもすぐに口をひらいて言う。
「僕らのアリス、僕の望みは君の望みだよ」
「私の望みがチェシャ猫の望み?」
「そう」
「同じことを望むの?」
「そうだよ」
「なぜ?」
「君はアリスで、僕は猫だからね」
 チェシャ猫がさも当然のように口にする言葉を、胸のなかで反芻する。
 だけど私は、ふるふると首を横にふる。
「そんなはずない」
「なぜ?」
「だってチェシャ猫にはチェシャ猫の意思があるのだもの。私が持たない望みだって、あなたにはあるはずだわ」

 僕らのアリス、とチェシャ猫は私を呼ぶ。
 確かに私はチェシャ猫の、そして不思議の国のみんなのアリス。
 だけど、私はもう不思議の国を訪れることはない。

 何もかも、捨てないと決めたから。

 チェシャ猫に導かれた真実の底で。

「あなたの役目は終わったのよ。もっと、あなたは自由になっていいはずだわ」
「僕は自由だよ、アリス。不便ではあるけどね、移動という点で」
 私を守って生首だけになってしまったチェシャ猫は、私が持ち運んであげないとどこにも行けない。
「そうね、新しい体が見つかるといいのに……って、そっか! 体が欲しいっていうのがチェシャ猫の望み!?」
「べつに」
「あら」
 ガックシ。肩を落とすと、目の前のテーブルに置いてある生首が愉快そうに揺れた。
「アリスが僕を運んでくれるから、体なんていらないよ」
「でも……」
「無い物ねだりはいけないよ、アリス」
 そうかなぁ…自分の体を欲しいと思うのって、いけないことかなぁ…
「しいていうなら、アリス。僕が望むのは君だよ」
「……………へ?」
 なんかチェシャ猫にすごいこといわれた。
 いつものにんまりとした表情を1ミリも変化させないまま、低い声でさらっと。

「僕は君が欲しい」

「ど……どうして?」

「僕は君が大好きだからさ、アリス」

 大きく裂けた口から赤い舌がのぞいた。

「君を丸ごと食べちゃいたいくらいにね」

「却下!!!」

 名残惜しそうにチェシャ猫の舌が暗い口の奥へと引っ込む。
 …チェシャ猫って、いつもそんなこと考えてるのかなぁ。
 よく生きてるなぁ、私……
「ねえ、どうしていつも私を食べたがるの?」
「君が大好きでおいしいからだよ、アリス」
「……おいしいから、私を好きなの?」
「おいしいから好きだし、好きだからおいしいよ」
 過去、何度か同じような会話を繰り返してきたけれど。
 いまだにチェシャ猫のこういう感覚は、理解できない。
 私って、非常食ぐらいにしか思われてないんじゃないのかな………。

「えっと、私を食べるほかに望みはないの?」
「ないね」
 即答か………。
 ずどーんと気持ちが落ち込んでしまう。
 そんな私の様子を見て、今度はチェシャ猫が問いを発した。
「さっきから、どうして僕の望みを知りたがるんだい?」

 私のチェシャ猫。
 私の望みは、どこまでもあなたの首を連れていくこと。
 だけどあなたの望みは何かしら?
 私は知らずに、またあなたに歪みを背負わせていないかしら?
 あなたの望みを無視することで。

 私 が 叶 え て あ げ ら れ る
 あ な た の 望 み は あ り ま せ ん か ?

 そう思って質問してみたんだけど、どうもマトモな答えが返ってこない。
 いつものことなんだけどね。
「もういいわ、どうでも」
「どうでもいいのかい?」
「いや、ううん、よくはないんだけど。とりあえずね? チェシャ猫、聞いて」
 聞くよ、とチェシャ猫はにんまり笑いを深めた。



「あなたが私を嫌いになるまで、私のそばにいてくれる?」



 チェシャ猫はいつもの言葉で答えてくれた。



「僕らのアリス、君が望むなら」



 それなら私も、私に誓いましょう。

 私のチェシャ猫、あなたが望むなら。

 その時はきっとあなたを 解放 しましょう。

 できる自信は、あまりないけれど。



「でもアリス」
「なあに、チェシャ猫」
「『嫌いになるまで』を約束したら、それは『死ぬまで』だよ?」
「へえ…それは――望むところ、だわ」

 私はチェシャ猫の首を抱く。
 そして私たちは扉の外へ。
 喪失という変化をつづける世界、変わらないのはそれが現実という事実のみ。
 そんな場所へ、猫の首を一つ抱いて、私はまた出ていく。
 私の全てを捨てないために。



 死ぬ前にはちょっと頭を噛らせてね、というチェシャ猫の頬っぺたを、軽くつねってやりながら。







* * * * *


ここはどこだ。
たぶん和田家の、アリスの私室だ。たぶん。
そしてわたしはたぶん、ふたりはずっと一緒……っていうのを書きたかったんだと思いますよ。
大丈夫だよアリス! チェシャ猫はアリスのそばにいるのが望みだから! 解放なんていらないから!
ってことを文章中に書けなかったのが心残りです。(だめじゃん。)
はい。お粗末さまでした。
猫やアリスのイメージをぶち壊してしまってたらごめんなさい…!!




at 23:57│