2010年02月26日

パラレルなトラパスSS

いつも屑劇場…いや星屑劇場にご来場・拍手ありがとうございます。

しかしあまりにも屑すぎるこのサイト放置ぶり……!

とゆーわけで、お礼とお詫びの気持ちをこめてちょっと書いてみましたよ学園パラレルトラパス。
(一年前に途中まで書いてありながら放置していたものに加筆修正)

創作なんて久々なのでトラップのキャラが違う!
え? それは星劇ではいつものことですか。ですよね☆
屑劇場のトラップは基本的に屑トラですよね☆(えー)
しかも今回パラレルですしね☆
パステルも同じく屑ってますよ!(えー)トラップほどキャラ崩壊してませんけどね☆

原作と掛け離れていても許せる方、お楽しみいただけたら幸いです。





◇◆◇◆◇



『ひとの気も知らないで』





「もう! びっくりさせないでよ!」

 声を荒げるべきじゃないのかもしれない、ベッドに横になっている人に向かって。
 それに、保健室で大声を出すべきじゃないのかもしれない。
 でも言わずにはいられなかった。

「心配したんだからね、練習中に倒れるなんて!」
「悪かったって。しゃーねえだろー? 昨日エフクエ□の発売日だったんだから」
「ゲームのやり過ぎで寝不足なんて『しゃーねえ』理由にならないの!」
「へーい」

 ぴしゃりと叱りつけてやったのに、彼は反省的態度をちっとも見せない。
 こっちに目を合わせもしないんだから。まったくぅ!



 トラップってヤツは、いつもこう。
 部内のトラブルメーカーで、いっつも騒ぎを起こしてさ。
 ま、いざというとき、頼りになることも無くは無いんだけど。
 その「いざ」ってとき以外は、いーっつも! 厄介なヤツ!
 マネージャーのわたしからすれば天敵ともいえる。


「んもー! あーたねぇ、わかってんの!? 大会前の今がどれだけ大事な時期か…」
「るせぇなぁー、寝かせろよ。オーシの野郎も言ってたろ? しばらく休んでろって」
「野郎だなんて! 保健室のセンセイでしょ!?」
「あーへいへい、わぁったから、もう戻れ! ほれ、部活サボっちゃだめだろ、パステルちゃん?」
「……あんたねえぇぇ」
「じょ、ジョーダン、ジョーダンだって! だぁら近寄るな!」
「なによー、その言い方!」
「きゃーきゃー! パステルちゃんに襲われるぅぅー!!」
「だっ…誰が襲うかぁぁぁ!!!」

 なんなのよ気持ち悪い声出して……!!
 つかれる。ひじょーに、疲れる。
 はぁぁぁぁ………早くセンセイ、帰ってこないかなぁ。



 わたしと部員の数人がトラップを連れて来てベッドに横たわらせたあと、オーシ先生は
「ちょっとよろしくな~」
 と保健室を出ていってしまった。
 どこへ何しに行ったのか、誰か知ってるなら教えてほしい。
 直後、部員たちも
「あとはお若い二人で…」
 な~んてジョークを言いながら早々に去っていった。
 まあ、彼らは練習に戻ったんだと思うけど。



 残されたのは、自業自得とはいえ体調不良のトラップと、付き添いのわたし。

 二人きりの保健室。



 うーむ。一度倒れた人を(すぐに意識を取り戻したとはいえ)、一人置いていくのはなぁ。
 ……でもこれだけ元気なら、置いてって平気かな? だったら彼が言うとおり部活に戻るけど…。

 改めて彼の顔を見つめる。
 ……と。あれ?
 ぱっと見ただけじゃわかんなかったけど。よーくよーく見ると。
 さっきまでは青白かった顔色が、いつの間にか、ちょっと赤くなってる……? 気がする……?

「トラップ、まさか熱ある?!」
「はあ? ねえよ」
「だって…。ちょっと貸してみて、おでこ」
「ばっ…! だぁら、近寄んな! ブス!」
「はあああ!?」

 なんなの!? なんなの!!
 マネージャーとして選手のコンディションを…友達としてあなたを、心配しただけでしょう!!?

 ふつふつとたぎる怒りを両目から発するように、トラップを間近で睨みつけてやる。

「そんっなに、わたしが嫌い……?」
「は? んなこと言ってねー…っつか顔が近ぇ近ぇ近えええっつーの!! あっぶね…!」
「アブナイ?? は!? わたしは危険物!?」
「ある意味……」
「わっ、悪かったわねええ!! じゃあ安心して? もう、金・輪・際、近づかないであげるから!!」
「っ……、お、おお、そりゃーいいぜ! お互いのためにな!!」
「トラップのばーか!!」
「るっせぇ、ブース!!」



 こんな言い方するべきじゃなかったのかもしれない。
 でも言わずにはいられなかったの!!

 わめきあった後、トラップを思いっきり睨みつけて、わたしは荒々しい足音を立てながら保健室を後にした。



 校庭に出て練習真っ只中の部活に戻ると。部員たちから

「あれパステル、思ったより早いな~……ひとり??」
「あっちゃー…」
「トラップ先輩を置いてきたんスか!? 可哀相っスよ!」
「戻ってやるべきです! いや戻ってやってください!」
「頼む…パステル」

 などなどなどと、何故か一生懸命に申し立てられたけど。
 知るもんか!!
 あーんな失礼なヤツ!!!

 ――…ひとの気も知らないで…………!



 胸を焦がすような赤い夕焼け。

 その色があの天敵の髪色を思わせるから、ぷいと顔をそむけた。

 その先では、眠れる彼がいるはずの保健室の窓ガラスが、西日を受けて赤く燃えていた。

 中の様子は、見えなかった。





◇◇◇





 ――…ひとの気も知らねぇで…………



「二人っきりで、ベッドの上で近寄られたら、……危ねえに決まってんだろーが」



 立ち上がり窓の向こうに目をやったおれは、校庭の隅っこで夕日の赤い光を浴びてる小せぇ影を睨んで、つぶやいた。



「……ブス」



 んなこと、ほんとは思ってねぇよ。

 寝不足になるほど、倒れるほど、情けないほどバカみてぇに赤く色づいて膨れあがる想い。
 それを心にも無ぇ言葉で抑えておけるのはいつまでだ?

 長ぇ距離と窓ガラスに隔てられて、あいつの顔ははっきりと見えない。
 だがこっちを向いているらしい様子に、心臓が高鳴りだす。

 ――近くても遠くてもおれを騒がせる。



 ――~~~~~って…マジどうした、おれ!! らしくねぇーにも程があるぜ!?



 激しい頭痛を感じてズルズルとベッドに戻る。
 その前にもういっぺん外を見ると、どっかの部の集団がランニングで横切ったせいで、目当ての影は見えなかった。

 白いシーツに身を沈める。思考はまぶたの裏の闇に沈める。
 ついさっきまでここにパステルがいた、とか考えねぇ。
 もうちっとで色々やらかしそうだった、むしろやらかしゃ良かった、とか考えてねぇ。
 いやでもアレは千載一遇のチャンス…むしろ人生ラストチャンスだったんじゃねえか、とか思い始めてねぇ。
 ちょっと待てよもしかして据え膳食い損ねたか、とか思ってねえ!
 あいつの顔のアップなんざ思い出してねえ……! 赤面なんざしてねえぞ……!

 だあああ!!
 無防備なんだよあのバカ! 少しはおれを意識しろブス!

 ……あいつ、まさか。
 この間トマスが調子崩したときにも、むやみに近寄ってたんじゃねぇだろうな………
 いやトマスならまだ良いが、相手がアイツとかアイツの兄貴とかあのロン毛金髪野郎とかあのクソ顧問とか…だったら…………
 ――とりあえず、顧問…クソギア、ぶっ飛ばす。

 だああ~、眠れねえ! パステルとギアのせいで眠れねえ!
 くっそ、ちくしょー!!!
 大会前にこんな状態でどーすんだ、おれ!?





 しばらくして保健室に戻ってきた不良教師(だが教師とは認めねえ)オーシが、やけに愉しそうに
「いや~青春だなあ!」
 なんつって声かけて来たのが、すっげぇムカついたんで、ベッドから飛び出して飛び蹴りをかましてやった。

「だぁあ、頭いてぇ…」
「痛えーのはこっちだ、おとなしく寝てろクソガキ!」
「寝られねんだよ不良教師! タバコ吸うんじゃねえ!」

 もやもやとした煙を吐き出すオーシのにやけたツラにまたムカついたんで、灰皿(保健室に置くなよ)をフリスビーの要領で投げつけてやった。
 もちろん、オーシの顔面ど真ん中に向かって。
 ふぎゃあと情けねぇオーシの悲鳴。



 と、同時――

 耳が、かすかな音を捕える。



 空はいつの間にか日が暮れていた。
 おれは途方に暮れたような気分になる。



 ったく、うちのマネージャーは…鈍臭くて不器用でブスでバカで無防備。
 どーしよーもなく厄介なヤツ。

 金輪際近寄らねえっつったくせに。

 廊下を駆けてくる足音はあいつのもの。

 たぶん部活が終わって、おれの荷物を持ってきて、
「心配だから送ってく」
 とか言い出すんだろ。

 ……お人よし。



 近寄る足音。

 高鳴る心臓。



 やべぇ、なんだコレ…………だめだ。
 嬉しいのは確かだが、複雑だ。
 だってどうすりゃいいんだよ。



 もう。

 さっきみてぇーに、「離れろ」って言ってやれる気がしねえぞ!?



 赤い、赤い、赤い。
 胸が。顔が。熱い。





 ドアの向こうのパステルも同じだと知るのは、このほんのわずか後――…………








◇◆◇◆◇



続きを書けそうな気もしますが強制終了。
このあと一緒に帰って、無事に両思いになれるといいですねトラップくん。
でもわたしが続きを書くと絶対そんな展開にならないので(えー)強制終了です。
ここまでで十分長文ですしね!

トラップがあまりにガキすぎました。屑トラでした。
当初の予定では「選手の体をよく知るのもマネージャーの仕事だろ?」
とか言ってパステルに添い寝を迫るはずでした。
それはそれで屑だな!(笑)
星屑劇場は屑なりにヘタレトラップを応援しています。

それにしてもこいつら何部なんだろう……(今更)。

drecom_hoshi_geki at 23:16│